資本主義社会では、労働で得た財産を私有することが認められて、それによって生活を維持します。
そしてそれぞれの生活は、夫婦・子供からなる家族単位で営まれています。
もし、一家の大黒柱(稼ぎ手)が死亡すると、その人が稼ぐ財産によって生活していた配偶者や子供たちは、生活に窮することになります。
配偶者と子供が第一順位の相続人として、まず遺産の承継が認められている第一の理由は、遺産が稼ぎ手を失った後の遺族の扶養のための財産と考えられているからです。
特に子供が未成年の場合は、遺産は生活保障そのものと言えます。
妻(配偶者)に対しては、法定相続分は最低でも財産の半分が保証されています。
なぜ配偶者に対して、子供より多くの(子供が1人の場合は2分の1ずつで同じですが)相続分を定めているかというと、配偶者にとって相続は生活保障の他に、共有財産の清算の意味合いがあるからです。
現代では、結婚後に築いた財産は、共働きでなくても夫婦が協力して(妻は内助の功により)形成した共有財産とみなされています。
たとえ、自宅や土地など不動産の名義が夫の単独名義だったとしても、婚姻中に購入したものであれば、実質的には夫の単独財産ではなく夫婦の共有財産とみようというのが、現代の夫婦の財産関係に対する一般的な考え方なのです。
ですから、夫婦のうち片方が亡くなり、残った配偶者が遺産を相続するのは、夫婦で形成した資産の分配、資産の潜在的持分の清算の意味合いもあると考えていいでしょう。
このような理由から、相続において被相続人の配偶者が一番優先されているのです。