二世帯住宅と相続の注意点

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 12 二世帯住宅と相続の注意点

近年二世帯住宅を建てる家族が増えています。
二世帯住宅は親の世帯からみても、子供の世帯からみても、それぞれメリットがあるようです。
親側にとって、「子供が独立し、広い家に夫婦2人で住むのは管理も大変」「家が老朽化してすぐ雨漏りするようになったが、建て替えたくても年齢的にローンを組むのは難しい」「老人世帯を狙った悪質リフォーム業者が多いと聞いて心配、また一軒家は防犯対策も難しい」「老人だけだと、病気や介護が必要になったときに心細い」「老夫婦2人だと話題も少なく精神的な張りもないし、テレビばかり見ていてぼけないだろうか」といった不安が二世帯住宅によって解消できます。
子供側にとっても二世帯住宅は、「持ち家がほしいが、土地付一戸建ては金がかかるし、子供がいるからマンションでは手狭」「親の老後が心配、できれば近くにいてあげたい」などの悩みを解消し、「祖父母と一緒に生活することは子供の躾や教育にも役立つ」「完全同居となるとプライバシーの確保や嫁姑問題などが不安だが、二世帯住宅なら住空間を分けるのであまり心配なさそう」「共働きをしたいが子供がいるのであきらめていたが、二世帯住宅なら昼間子供を預かってもらえるから働ける」、といったメリットを提供してくれます。

このように、二世帯住宅は3世代同居の新しい形として受け入れられていますが、息子(娘)夫婦に兄弟がいる場合は、相続のことを充分に考えておかなければなりません。
二世帯住宅を建てる場合、親の土地に子供名義か親子共有名義の建物を建てるのが一般的です。
この場合、親が亡くなったとき、二世帯住宅が建っている土地以外にめぼしい財産がなければ、その土地をめぐって相続争いが起きる可能性が高いです。
遺言書がなかったら、他の兄弟たちは遺産分割協議で法定相続分を要求するかもしれず、家庭裁判所に審判を申立てられたら、土地建物を売却しなければならない結果になることも考えられます。
そうならないためには、以下のような方法があります。

1.二世帯住宅を建てるときは、遺言書を書いて土地を一緒に住む子供に相続するよう指定する。
2.他の兄弟たちには、生前贈与を与えるなどして遺留分を放棄させる。
3.二世帯住宅に住むものには介護の義務があり、介護をするものに土地を相続させることを他の兄弟に言い含める。(⇒11 介護する者としない者を区別する 参照)
4.土地に余裕があれば、いざというときに分筆(土地を分けること)できるように住宅を建てる(土地家屋調査士などの専門家に依頼する)。
5.二世帯住宅は設計上できれば上下ではなく左右の住み分け型にして、建物を分けることも可能にしておく。

⇒13 熟年再婚と相続について

  • 1遺言書は最後のメッセージ
  • 2遺言書は相続争いを防ぐ
  • 3遺言書で何ができるか
  • 4遺言書の種類(遺言形式)
  • 5遺言は定期的に見直す
  • 6現代の相続の問題
  • 7なぜ相続争いが起きるのか
  • 8相続の基本的考え方
  • 9相続から妻を守るために
  • 10遺留分を考慮する
  • 11介護する者としない者を区別する
  • 12二世帯住宅と相続の注意点
  • 13熟年再婚と相続について
  • 14任意後見制度を利用しよう
  • 15事業用資産は後継者に単独で
  • 16祭祀承継者に考慮する
  • 17寄与分について知っておこう
  • 18相続に金を惜しむな
  • 19高齢化社会における相続と生前贈与
  • 20相続における生命保険の活用
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