高齢社会における相続と生前贈与

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 19 高齢化社会における相続と生前贈与

相続川柳をいくつか紹介します。
「相続は、定年過ぎに、やってくる」
「退職金、失くした後に、遺産来る」
「70代、兄弟喧嘩の、始まりだ」

このように、高齢社会になると相続年齢は必然的に上がります。
親が85〜90歳まで生きるとすると、子供が相続する時の年齢は55〜60歳あたりになるでしょう。
60歳前後というと、その頃は本人も定年を迎え、その子供は社会人となり、住宅ローンもすでに払い終えていて、一番お金が必要な時期は過ぎてしまっています。
ですから、その頃にたとえ大きな遺産が転がり込んできても、使い道は「老後の資金」くらいしか考えられないという事態もありえます。

一般的に人生で最もお金がかかる時期は40〜50歳と言われています。
その頃は住宅ローンや子供の教育資金や生活費用などが最も高くなります。
その一番お金が必要な時期に、相続や贈与によって親からまとまったお金を受け取ることができれば、そのお金はまさに天の恵みとなるでしょう。
60歳を過ぎて受け取る遺産よりも、ありがたみの実感はまるで違うはずです。
そこでおすすめしたいのが、生前贈与です。

近年「相続時清算課税制度」とういうものがはじまりました。
この相続時清算課税制度は、65歳以上の親から20歳以上の子供に対する、2500万円(住宅取得目的なら3,500万円まで)までの贈与に対しては、贈与税を払わなくても良い(相続時に清算する)という制度です。
2,500万円を超える分については、一律20%の贈与税がかかります。
この制度は、従来の贈与税課税方式(年110万円までの贈与は非課税で、それを超える分には累進税を適用)との選択性で、利用するには贈与を受けたときに税務署に申告する必要があります。
この制度がはじまったことにより、税金の心配をせずに、一度にまとまったお金を生前贈与できるようになりました。

生前贈与には以下のようなメリットがあります。
1. お金が必要な時期に贈与できるので「生き金」となりやすい。
2. 親の威厳があるうちに、意思と実行力でスムーズに処理できる。
3. 子供はお金を必要とする時期に受け取れるので大変喜び、親は直接感謝される。
4. 相続争いが起こらず、家族円満に寄与する。
5. 介護する人に、生前に報いることができる。

以上のように、子供がお金を最も必要としている時期に贈与されると、そのお金は必ず「生き金」となりますが、相続まで貯めこんだお金はその時期によっては「死に金」になるかもしれません。
また、生前贈与により親の世代から子の世代に莫大な財産が移転されれば、消費意欲が活発になり日本経済全体が活性化されるなど、社会的にも大きなメリットがあります。

⇒20 相続における生命保険の活用

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